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ランニング
2020年01月16日

緊急コラム「NIKEの厚底シューズは本当に規制すべきなのか。」

こんにちは、名古屋市南区にあるスポーツショップ「スポーツスタジアムソブエ 」ランニング担当の山田です

 

本日1月16日の早朝に、とあるニュースが世間をざわつかせました

「世界陸連がNIKEの厚底シューズをトップアスリートにおいて使用禁止とする見込みと英各紙が報道」

 

という見出しでしたね

 

まぁみなさん遅かれ早かれこういう議論は出てくるだろうな。

と予想はしてたと思いますが

実際に出てくると、こんなに騒がれるもんなんですね

この報道を受けて、薄底を貫いていたasicsの株価が跳ね上がってるらしいですよ

っといってもこのところ急落傾向でしたので、多少復活した程度でしょうか。

 

ファウンディングの問題で言えば会社の規模がケタ違いなので正直比較することすらナンセンスだと思いますが。

ディズニーと浜名湖パルパル比較してるもんですよ

 

っと話が逸れましたね。。。

では、例のNIKE厚底シューズはどういうポイントでレギュレーションに抵触するのでしょうか。

陸連のシューズによる規定ではこんな文言があります

「全ての人にとって合理的に利用可能でなければならず、ランナーに不当な優位性を与えてはいけない」

 

すなわち、①誰でも買える製品で、②イカサマしてはいけないってことですね

ではまず①から

誰でも買えるってのはどういう目線でかって価値観の話になりますよね

現在多くのアスリートが着用している「ヴェイパーフライネクスト%」は27500円+税

シューズとしてこれが高すぎるかどうかって話。

asicsのソーティジャパンシリーズが15000円程度と比較すれば2倍近い価格なので、そりゃ高いぜ!って話になりますが

 

実際に選手が使ってるシューズは選手専用に足形をとったり、シューズそのものをカスタマイズしているので、1足200万円程度になります

方やNIKEは全てのアスリートが市販品をそのまま使用しています

私はそっちの方が問題では?と疑問を覚えてしまいます。

 

次に②ですが

本当にカーボンプレートを内蔵していることが問題なのでしょうか。

多くのレビューに「カーボンが撓ることにより復元時の反発性を利用して跳ねるような感覚が得られる」と書かれていますが、これは間違いです

 

実はマラソンシューズに限らず陸上スパイクやランニングシューズにはほぼ全てにシャンクと言われる硬いプレートが入っています

とあるメーカーはカーボンだったり、樹脂だったり、それによって走り心地も大きく変わります

では実際にヴェイパーフライネクスト%で走っている人の足元をご覧になられたことはありますか?

実はシューズが曲がっていない(撓っていない)のです

おっとこれは不思議な話になってきましたね

カーボンが反発性を生み出しているからNGって論理なのに

カーボンは曲がっていない。

 

では何があの反発性を生み出しているのでしょうか。

それは「ズームX」というミッドソール素材に他ありません

ズームXはEVAベースに発泡混合を調整して、軽くて反発性の高い特徴を持った素材です

 

実はこのズームXがすごいのです

カーボンプレートはこのズームXに効率よく荷重をかけるために

捻れやグラつきを抑えるためのサポートでしかないのです

ですが、ズームXは元々EVAがベースになった素材ですので

これがNGということになれば

カーボンプレートの使用禁止

EVAの使用禁止という2つの規制がかからなければおかしな論理になります

 

現代のシューズにおいて

カーボンプレートとEVAの両方を禁止ということになれば

原点回帰の足袋時代へ逆戻りになります

 

っということはそもそもわらじみたいなもので走ってたんだから

シューズ履いてる時点で不公平じゃね?と言われてしまいませんか。

 

過去にSPEEDO社から「レーザーレーサー」という革新的な素材を使用した水着が出て、それが同じように規制になりましたが

それとは話が違います

 

素材そのものは現在広く使用されているものだからです

 

よく金属バットと木製バットで比較なさる方がいらっしゃいますが

該当のNIKEシューズは木製バットでありながら、形を見直してボールに力が伝わりやすくしたまでです。

 

たまたまとある1社が今まで使用されている素材なり

形状なりを研究して、効率良い製品が生み出されたからといって

即座に規制というのはあまりに短絡的というか、ジジイ的発送だなぁと思います

 

情報ので元がイギリスってところもなんだか大人の事情を感じてしまいますね

その話は別の機会に。。

 

さぁ果たして国際陸連はどんな答えを出すのか

大人たちの勝手な都合ではなく、選手などにもヒアリングして決めてほしいものです。

 

さて記録やオリンピックのことは置いておいて

ニュースになればなるほど、NIKE経営陣がほくそ笑んでるのが想像つきますね。


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